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職能生かせず、フィリピン人介護士、寂しい帰国

 投稿者:みいらん  投稿日:2008年 7月12日(土)19時49分35秒
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   「大学を卒業してフィリピンで働こうとしても高い給料はも
らえません。チャンスがあれば外国で働こうと思っていました」

 東京都郊外にある介護老人保健施設「菜の花」の2階。フィリ
ピン人介護士のオリビアさん(31)は、入所者が生活する部屋
をひと部屋ずつ掃除していた。午前は新宿にある日本語学校で授
業を受け、午後は電車と自転車を乗り継いで、約1時間半離れた
この施設でシーツ交換や床の掃除、入所者への食事の配膳(はい
ぜん)などを行う。実は、直接介護には携わっていないのだ。

 介護福祉士の勉強をするために来日したオリビアさんがなぜ直
接介護できないのか。同施設の難波眞施設長(58)に聞くと「
今のところはまだ、外国人の彼女たちに直接介護はさせられない
。入所者とのコミュニケーションは言葉が重要。片言の日本語で
は信頼関係を築くのは難しい」と説明した。

 同施設の入所者の平均年齢は83歳。認知症患者も多く「会話
」から体調に関する情報を得ることも多いという。

 オリビアさんは、日本が今後、本格的に外国人看護師や介護福
祉士を受け入れる前段階として国内数カ所の介護支援施設に受け
入れられたフィリピン人15人のうちの一人。06年4月に来日
した。全員がフィリピン政府公認の介護資格を持っている。

 「大学を卒業してから2年、フィリピンで介護士として働いて
いた。その経験を日本でも生かしたいけど、日本語は本当に難し
いです」と少し寂しそうに話す。結局、その経験は生かされるこ
とはなかった。

 今春、2年の就学ビザの期限が切れ、彼女はフィリピンに帰国
した。「チャンスがあれば必ずまた来ますね」と言い残して。

 ◇月内にも第1陣が来日予定

 5月、参院本会議で自民、民主など各党は賛成多数でインドネ
シア人看護師・介護福祉士を今後2年間で1000人受け入れる
経済連携協定(EPA)を承認。7月中にもインドネシアから第
1陣が来日予定だ。

 しかし、すぐに施設で働けるわけではない。受け入れを希望す
る施設で研修しながら来日後、看護師は3年、介護福祉士は4年
以内に日本語の国家試験に合格し、国家資格を取得しなければな
らない。不合格なら「帰国」という高いハードルだ。

 社会福祉振興・試験センターによると、07年度の介護福祉士
国家試験の合格率は51.3%。日本人でも2人に1人の狭き門
だ。外国人が、しかも施設で研修しながらこの国家試験を突破す
るというのは可能なことなのだろうか。

 外国人労働者を受け入れる一方で、日本人の介護現場での離職
率は年間約20%。「低賃金」「重労働」「忙しい」などが主な
理由だ。この厳しい労働現場に、7月下旬、オリビアさんのよう
な若者たちがやってくる。

毎日新聞 2008年7月10日 東京夕刊

http://www.d1.dion.ne.jp/~thpeng/miira/

 
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